会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

断るときは、うそも方便

 相手から気が進まない誘いを受けた時、断るのに苦労しますよね。
 そういう時は、理由をつけます。

「明日は、家でどうしても片付けなければならない仕事があって」
「その日は、ちょっと出かけなければならない用事があって」
「今夜は、家族で約束があるから帰らなければならないんだ」

 本当は、仕事も用事も約束も無かったとしても、これ、言っていいんです。
 これが「方便」というものです。
 方便とは、目的を達するための手段のことです。
 つまり、「断る」という目的を達するために使っている手段が「うそ」ということですね。
 この場合「うそ」を使わずに断るとしたら、次のようになってしまいます。

「明日は家でごろごろしたいから行きたくない」
「あなたとは出かけたくない」
「疲れたから早く帰りたいんだよ」

 本当のことを言ったわけですが、これでは角が立ってしまいます。
 相手を傷つけるかもしれません。
 この場合のうそは、むしろ、相手に対する配慮、思いやりです。
 角を立てず、相手を傷つけず、断るためには「うそ」を活用していいのです。