会話の原則3「質問する」
心構えの3つ目は「質問する」ということです。
ただ、質問にも種類があります。
ここでいう質問とは、聞かれた相手が答えに困るような攻撃的質問ではありません。
「あなたに関心を寄せていますよ」「あなたに興味があります」「あなたに好意をもっています」といったことが伝わるような、聞かれた相手がうれしい友好的質問です。
たとえば、相手が釣りが好きな人で、釣りのことを一生懸命あなたに話してくれたとします。
もちろん、この時のあなたは、先の2つの心構えで臨みますから、相手の言うことを否定したり、話の腰を折ったりしないで、最後まで全部聞きます。
さて、話が全て終わりました。
これが商談の前段階の雑談だったとしましょう。
ここで、さっさと商談に移ってしまってはいけません。
「さっき、おっしゃっていた場所には年に何回くらい行かれるんですか?」
「釣りの用語で○○というのが出てきましたが、どういう物なのでしょう?」
「この時期は寒いですよね。寒さ対策はどうされているのですか?」
等と、質問をします。
そうすれば相手は大喜びで追加説明してくれるでしょう。
あなたへの好感度も大幅にアップします。
また、別の例ですが、誰かと会話中、
「休日どこかへ出かけましたか?」
「ご趣味は何ですか?」
等と聞かれたことはありませんか?
この時、あなたは答えて終わってはいけません。
(答えないというのはもってのほかですよ。教えたくないところに出かけていたとしても「特に大した外出はしませんでした」等と言えばいいのです)
答えた後、絶対やるべきことがあります。
それは、「同じことを質問する」ということです。
「休日どこかへ出かけましたか?」
とあなたに聞く人は、実は自分が休日に出かけていて、それを相手に話したい場合があります。
「ご趣味は何ですか?」
とあなたに聞く人は、実は自分が他人に話して聞かせたい趣味をもっている場合があります。
聞かれたことと同じことを、相手に聞きましょう。
また、問題行動を起こした相手に対し何か言わなければならない時も、質問しましょう。
「なんてことしてくれたんだ!」
「いったい、何考えてるんだ! 訳を説明しろ!」
などと詰問するのではありません。
これでは、最初に述べた「攻撃的質問」です。
そうではなく、
「そうした行動には理由があったんだよね。教えてくれるかな?」
と、友好的に質問するのです。
特にあなたが親で、我が子に対し何か指導しなければならない場面に出くわしたなら、頭ごなしに叱るのではなく、子どもの言い分に十分耳を傾けましょう。
もちろん、我が子が問題行動の言い訳をするときでも、「否定しない」で「最後まで聞く」のですよ。