会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

「分からない」「知らない」「できない」と言おう

 本当は詳しくないことに対して詳しいフリをしたり、できないことを
「できる」
と言ってしまったりして困った経験はありませんか。
 なぜ、そうなってしまうのでしょうか?
 それはあなたの心の中にある見栄、プライドが原因ですね。
「相手になめられたくない」
「バカにされたくない」
「下に見られたくない」
 そういう気持ちから、知らないことを知っていると言ったり、できないことをできると言ってしまったりしてしまうのです。
 また、頼まれごとに対して、本当はやりたくないのに
「断ってしまったら相手に対して悪いかな……」
との思いからYESと言ってしまう。
 「NOと言えない日本人」ですね。
 しかしそれは、相手にとって、また誰より自分にとって不幸な出来事です。
「分からない」
「知らない」
「できない」
と言いましょう。
 歴史上の偉人は、自分よりすごい能力を持った部下をたくさん抱えていました。
 自分の力が及ばないことについては、その方面で優れた能力をもつ部下をもつことでカバーしていたのです。
「分からない」
「知らない」
「できない」
と言えない人は、そんな優秀な部下をもつこともできませんよね。
 トップに立つ優れた人は、部下と能力を争うことなく、
「あなたはすごい! 私よりはるかに優れている」
と言える人なのです。
 そうやって部下をほめられる、大きな器のある人が、人の上に立つすばらしいトップと言えるのです。
 そのように器量の大きい人は、
「分からない」
「知らない」
「できない」
と言ったからといってなめられることはありません。
 逆に、
「正直で謙虚な人だ」
と尊敬されるくらいです。
 能力のある人がどんどん集まってくるでしょう。
 その人たちが部下にいるということは、それはその部下達の優れた能力があなたの能力であることと同じなのです。
 「分からない」「知らない」「できない」と言える人になりましょう。