会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

「時間を奪う」「愚痴を言う」「夢を壊す」他人にとっての困った人にならないようにしよう

 会話にあたり、あなたは他人にとっての“困った人”になっていないでしょうか。
 “三大困った人”とは、次のような人です。

1.時間を奪う人
 あなたは他人の時間を奪っていませんか。

・どうでもいい話をいつまでもしている。
・自分で調べもしないで直ぐ質問する。
・その人の仕事ではないのに用事を頼んで自分を手伝わせている。

 相手からしたらとても困った人ですね。
 あなたが暇でも相手が暇とは限りません。
 暇つぶしに話しかけるのはやめましょう。
 特に注意したいのはあなたの立場が強い時です。
 あなたが上司なら、話しかけられた部下は断りづらいですよね。
 いつも無駄話をしてくるあなたは、内心きっと疎まれていますよ。

 調べもしないで質問するのもやめましょう。
 インターネットで検索すれば直ぐ分かることですら質問する人がいます。
 あなたがそんな人になっていないでしょうか。
 調べに調べた上で、なお分からないので教えてください、お時間を使わせて申し訳ありません――これぐらいの気持ちで質問はしたいものです。

 また、相手の善意におぶさって本来の分担では無い仕事をさせているあなた。
 やはり、相手から嫌われています。
 自身の行動を振り返りましょう。


2.愚痴を言う人

 あなたは他人に愚痴を言っていませんか。
 愚痴、悪口、文句、泣き言、批判、非難、いずれも聞かされる方はたまったものじゃありません。
 あなたが辛そうな顔をしている時、善意で愚痴を聞いてくれる人もいるでしょう。
 それに甘えて、しょっちゅう愚痴ばかりこぼしていたらどうなるでしょうか。
 そんなあなたを、相手はきっと煙たい存在と認識していますよ。
 脳科学的に、マイナスな言葉は脳に悪影響を及ぼすことが分かっています。
 あなたが誰かの愚痴を言うと、自分が発した言葉を聞いているあなたの脳自体も悪影響を受けます。
 愚痴を聞かされる人の脳にも、愚痴を言うあなたの脳にも悪影響。
 百害あって一利なし。
 いいことは1つもありませんね。
 愚痴を言うのはやめましょう。


3.夢を壊す人

 あなたは他人の夢を壊していませんか。

・アイドルになりたい。
・プロサッカー選手になりたい。
・YouTuberになりたい。

 あなたが親で、我が子がこんなことを言ってきた時。
 あなたは頭ごなしに、
「そんなの無理だ、やめろ」
「なに馬鹿なこと言っているんだ」
「安定した定職に就きなさい」
と応じたりしていないでしょうか。

 もちろん、我が子の行く末を心配して言う台詞ではあるでしょう。
 しかし、頭ごなしに夢を否定したのでは子どもだってあなたへの信頼を失ってしまいます。
 何よりがっかりして、もう親のあなたになんか何も話すものかとさえ思うかもしれません。
 まずは、「否定しない」(会話の原則1)で「最後まで聞く」(会話の原則2)のです。
 そして、なぜその夢をもったのか「質問する」(会話の原則3)ことです。
 その質問にどう答えるかで、我が子の本気度が分かるでしょう。
 本当に何も分からず、覚悟も無く、うわべだけ見て漠然と言っているのかもしれません。
 あるいは、いろいろと調べたり既に準備を始めていたりしていることが質問の結果わかるかもしれません。
 親よりも詳しければ、我が子が真剣であることが分かるでしょう。

 では、夢を語るのが我が子ではなく配偶者だったらどうでしょう。
 たとえば、

・夫が突然退職して起業すると言い出した。
・奥さんが専業主婦をやめて学校に通いたいと言い出した。

 この時も、まずは否定しないで最後まで話を聞いてから、理由を尋ねましょう。
 夫婦で十分話し合いましょう。
 今後の夫婦生活に大きく影響することですから、納得がいくまで話し合わなければなりません。

 夢を語るのが部下や友達だったらどうでしょう。
 無責任に「いいぞ」「やれ、やれ」とは言えませんが、基本的には応援するスタンスで応じてあげるとよいでしょう。
 ここでも、「否定しないで最後まで聞き、理由をたずねてあげる」ことです。
 夢を相談してくる人には、背中を押してほしい人もいれば、実は止めてほしくて打ち明けてくる人もいます。
 こういう場合、無意識下では結論を出している人がほとんどです。
 部下や友達の場合、あなたは夢を肯定も否定もせず、「笑顔」(会話の原則4)で相手の話を「繰り返す」(会話の原則5)、話の内容やペースを「合わせる」ことをしながら聞いてあげましょう。
 そうすれば、相手は自分で結論を出すはずです。
 出さなくとも、あなたにそうやって聞いてもらうことで十分満足します。

 相手の願望を頭ごなしに否定する「夢を壊す人」にならないよう、肝に銘じましょう。