会話の原則1「否定しない」
人は誰でも自分のことを分かってほしい、自分を認めてほしいと思っています。
自分のことを分かってくれる相手、認めてくれる相手に対しては、人は心を開いてくれるでしょう。
反対に、自分のことを分かってくれない相手、認めてくれない相手に対して心を閉ざしてしまうのは、言うまでもありません。
では、どうすれば会話中の相手の心を開くことができるのでしょうか。
それは、相手の話を「否定しない」ことです。
私たちは何気ない会話の中で、「でも」「だけど」「違うよ」「そうじゃないでしょ」といった言葉を発していないでしょうか。
全て否定語です。
会話中にこれらの言葉が増えれば増えるほど、相手は少しずつ心の扉を閉ざしていくことでしょう。
全世界で1500万部売れた人間関係の名著、デール・カーネギーの『人を動かす』において最初に出てくる原則は次のものです。
「批判も非難もしない。苦情も言わない」
まさに「否定しない」内容ですね。
こう書くと、
「では、相手が間違ったことを言ったり、法を犯すことを言ったり、道義に反することを言ったりしたとしても肯定しろというのか!?」
なんだか声高にこんな反論が聞こえてきそうです。
でも、落ち着いてください。
私は「否定しない」と言っているのです。
「肯定しろ」とは言っていません。
「肯定しないし、否定もしない。どうしろと言うのだ? 意味が分からない!」
そう思った方へ。
相手が間違ったことを言ったり、法を犯すことを言ったり、道義に反することを言ったりしたときに、どうすればいいのか。
それについては、この後に書いていきます。
今は、人との会話における心構えとして、相手の話を「否定しない」――これを覚えてください。