会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

会話の原則2「最後まで聞く」心構え1「うんうんと黙って聞く」

 以前見たテレビで、女性によくもてる男性芸能人のことが語られていました。
 決して素行が良いとは言えないその男性芸能人がどうして女性にもてるのか。
 ある女性タレントが言っていた理由は、「彼は『うんうん』と私の話を最後まで黙って聞いてくれるから」ということでした。
 その芸能人の人間性はともかく、「黙って話を最後まで聞く」ということが、相手から高い好感度をもってもらえる姿勢であったことは間違いありません。

 また、一人暮らしの女性が家にぬいぐるみを持っていて、そのぬいぐるみに一日の出来事を話しているというエピソードを見聞きしたことがあります。
 ぬいぐるみじゃなくて、かわいいお地蔵さんの置物が売れているという話もありました。
 そのお地蔵さんに向かって語りかけるのだそうです。
 ぬいぐるみにしろ、お地蔵さんにしろ、人間ではありませんのでしゃべりません。
 話し手に対して話を否定したり、さえぎったり、意見したりすることはありません。
 最後まで黙って話を聞いてくれます。
 人には、たとえ相手が人間ではなくても、黙って話を最後まで聞いてくれる存在が必要なのですね。

 SNSの出会い系がなぜこれほどまでに盛んなのでしょう。
 人は、自分の話を聞いてくれる相手を求めているからです。
 女子中高生が、SNSで出会った素性のよく分からない相手に会いに行ってしまって事件に巻き込まれるといった報道が後をたちません。
 下手したら、文字のやり取りだけで、顔どころか声すら知らないのに会いに行ってしまうのです。
 彼女たちはなぜ会いに行ってしまうのでしょう。
 それは、相手が話をよく聞いてくれたからです。
 話を最後まで聞いてくれる存在というのは、これほどまでにニーズが高いものなのですね。

 話を最後まで聞くという方法を悪用することを勧めているわけではありませんので、そこは誤解の無いようにお願いします。

 あなたが、相手と良好な会話をもちたいのであれば、相手の話を最後まで聞く心構えをもちましょう。