会話の原則2「最後まで聞く」心構え2「結末に大どんでん返しがあるかもしれない」
小説でもマンガでも映画でも、最後までストーリーがどのように運ぶかは分からないですよね。
ラストの予想がついてしまい、
「やっぱり思ったとおりだった」
と、あまり面白くない作品も確かにあります。
ですが、最後の最後までどうなるのか展開がまったく読めないものもありますよね。
そういう作品は面白いです。
また、結構ずうーーっと退屈だったのに、終わり間際に怒涛の展開、そして思ってもみなかった幕切れ――なんて作品もあります。
面白いですよね。
人と会話をしていて、その話が名作物語のようにあっと驚く終わり方をするとは限りません。
だとしても、話というのは、やはり最後まで聞かなければ分からないものです。
特に日本語は、文法的にその傾向が強いです。
たとえば、
「今日はいい天気です」
と言う場合。
「今日はいい天気で――」
まで聞いても、その文末がどうであるかは分かりません。
「今日はいい天気です」
「今日はいい天気ではありません」
「今日はいい天気であるかどうかは分からない」
いろいろな意味の文末がありえます。
これが日本語の特徴なのです。
これが英語でしたら、
「今日はいい天気です」
は、
「It is fine today.」
「今日はいい天気ではありません」
は、
「It is not fine today.」
3つめの単語に not が入ることで、最後まで聞かなくともそれが否定文であることが聞き手に直ぐ分かります。
でも、日本語は、最後の最後まで聞かないと、それが肯定文なのか否定文なのか聞き手に分からないのです。
話し方の上手な人であれば、初めに簡潔に結論を述べてから、その説明をしてくれますので、たとえ日本語話者であっても分かりやすく話をしてくれます。
しかしながら、多くの場合は、そうではありませんから、聞き手が最後まできちんと聞き取ることを習慣づけなければなりません。
誤解を防ぐためにも、人の話は必ず最後まで、文末まで聞き取るように心構えをもちましょう。