会話の原則3「質問する」心構え1「おだやかに尋ねよう」
「盗人にも三分の理」といいます。
「盗みという悪事をはたらいた者にも、少しではあるがそれなりの理由がある」という意味です。
我が子が、友人が、職場の部下が、何か不適切な行いをしたとしましょう。
そんな時、つい頭ごなしに
「何やってんだよ!」
と言ってしまうことはないでしょうか。
相手の行動には、それなりの理由があるはずです。
わけを聞きましょう。
わけを聞くといっても、
「なんでこうなったんだよ! 理由を説明しろ、理由を!!」
と責め立ててはいけません。
そうでなくても、やらかしてしまった相手は今弱い立場にあるのです。
「悪かったな」
「やってしまった」
「失敗だった」
心が弱っている相手を、さらに鞭打つような聞き方をしては、相手は心を閉ざしてしまうでしょう。
責めてくるあなたに対し、
「どうせ分かってもらえない」
とあきらめてしまいます。
「こういうことになってとても心配しているんだよ。理由があるなら教えてもらえるかな」
このように、相手を気遣う言葉がけをしながら、おだやかに尋ねましょう。
相手のやらかした出来事によって、大きく約束の時刻に遅れたり、仕事の期日を守れなかったり、物が壊されたり、金銭的な損失を被ったりと、もしかしたら、あなた自身の精神状態がとてもおだやかではいられない状態かもしれません。
だったら、なおのことおだやかに尋ねなければなりません。
ここであなたが激高したところで、事態はよくなるどころかますます悪化します。
相手との関係が壊れることで、解決までの道のりがさらに遠くなってしまうからです。
相手との関係が保てていれば、力を合わせて失敗をカバーするための手立てをとることができることでしょう。
良くないことが起きた時ほど、おだやかに尋ねましょう。