会話の原則2「最後まで聞く」心構え3「タイムリミットを設定しない」
ビジネスの現場では、クレーム対応の方法の1つとして「タイムリミットを設定する」というものがあります。
「お話を伺えるのは2時間までです」
「お話を伺えるのは夕方5時までです」
等と言うように、あらかじめ相手に終了時刻を予告してから話し合いに入るのです。
ただ、これは正直難しいです。
クレームを言ってくる相手は、そもそもかっかして頭に血がのぼっています。
そんな相手に、
「話を聞けるのは○○までだよ」
と下手に伝えようものなら、火に油を注ぎかねません。
苦情を1時間聞けば済むはずだったのが、3時間聞くはめになるかもしれません。
終了予定時刻をあらかじめ伝えるのは、相手の様子を見極めて、明らかに大丈夫であるときだけにしましょう。
また、相手の話を聞いているとき、時計を見るのも厳禁です。
時計を見ることは、相手に、
「ああ、自分の話を早く終われと思っているんだな」
思わせることになります。
実際、相手の話はつまらないのかもしれません。
退屈なのかもしれません。
あるいは、あなたにとっては耳の痛い苦情なのかもしれません。
でも、時計を見ることは、控えましょう。
相手に良い印象を与えません。
どうしても時刻を確認しなければならないのであれば、腕時計をしておきましょう。
そして、メモを取ったり、紙をめくったり、テーブルに腕を置いたりするといったさりげない動きの中で、ちらっと確認するようにします。
あからさまに見ることはせず、あくまで、さりげなくです。
壁の時計を見るのはやめましょう。
あなたの視線の動きを相手は見ています。
ただ、次の来客の予定があるなど、どうしても時刻を区切って話を切り上げなければならない場合もあります。
相手が怒っている状態でないのであれば、はじめに、
「申し訳ないのですが、実は○時に来客の予定がございまして――」
と断ってから会話に入りましょう。
これができるのは、相手が急にあなたに会話の機会をもたらしてきた時だけです。
あらかじめスケジュールされた会話の機会だったのであれば、前後のスケジュールにはできるだけ十分な余裕をもっておきましょう。