会話の原則6「合わせる」やり方1「時間はかかるものと腹を決める」
相手が、ゆっくり話す人だった場合。
あなたは腹を決める必要があります。
時間はかかるもの――と。
長期戦を覚悟します。
あなたにとっては、その会話相手は大切な人なのですよね?
良い関係を築きたい人なのですよね?
ならば、時間がかかることを受け入れましょう。
相手のゆっくりペースに合わせ、こちらもゆっくり会話をします。
ここでいちばん問題になるのは、あなたがせっかちだったり、時間に余裕が無かったりする場合です。
さらに、相手の話が回りくどかったり、分かりにくかったり、説明が下手だったり、同じことの繰り返しだったりすると、あなたとしては、
「なんでもっとすっきり話ができないんだ」
といらいらするかもしれません。
相手がどうでもいい人なら、あなたはそこで会話の席を立ってしまって構いません。
でも、大切な相手ならば、そこはあなたは我慢する必要があります。
そのために、あなたは普段から心身のコンディションを整え、時間に余裕をもち、会話に臨む必要があります。
もっとも、いつもそのようにできたら苦労はない――というのが本当のところですよね。
会話の長期戦は突然なんの前触れもなくやってきたりします。
私も、いきなり2時間の立ち話に付き合わなければならなくなったことがありました。
話題があっちにいったり、こっちにいったり、自慢になったり、何を伝えるという目的があるわけでもない、こちらにとっては意味があるとは感じられない会話に2時間付き合うのは苦痛でした。
ですが、その会話を適当に打ち切れば、その後、その相手との人間関係が良好に保てず、仕事に差し障る可能性もあったのです。
したがって、耐えました。
この2時間の忍耐が、その後の仕事のパフォーマンスに大きく影響します。
2時間我慢したおかげで、悪影響を回避できました。
もし、2時間我慢せず、1時間で会話を打ち切っていたらどうなったでしょう。
その後、悪化した関係修復のために、もっと多くの時間、場合によっては数倍の時間、日数、あるいは月単位を費やすことになるかもしれなかったのです。
こわれてしまった人間関係の修復はとてつもなく厄介です。
今、あなたの目の前の相手が気持ちよく話をしているのであれば、ゆっくりした相手の会話に付き合ってあげることで、その後、要らぬ手間を生じさせることを避けることができるのです。
相手の会話に付き合うときは、場合によっては時間はかかるものと腹を決めましょう。