会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

会話のネタ5「生活の話題」

 「セ」は、生活についての話です。
 どこに住んでいるのか、休日は何をしているのか、家族構成はどうなっているのかなど、暮らしぶりについての話題です。

 気を付けることがあります。
 生活についての話題は、けっこう相手のプライバシーに踏み込みますので、注意が必要です。
 プライベートなことについては話したがらない人もいますから、十分配慮しなければなりません。
 たとえば、相手が左手薬指に指輪をしているのであれば、
「ご結婚されているのですね。もう何年になるのですか?」
ぐらいから、話をふります。
 中には未婚で左手薬指に指輪をしている少数派の方もいるでしょうが、既婚者が左手薬指に指輪というのは世界共通の了解事項です。
 決して問いとして間違ってはいません。
 外国では、既婚者が左手薬指に指輪をするのはエチケットという場合もあります。
 でないと、アプローチしてくる異性があった場合、その方に失礼になるからです。

 さて、相手が未婚の場合、
「どうして結婚しないんですか」
「付き合っている人いないんですか」
――これは、NGですよね。
 ハラスメントの意識が高まっている昨今、説明するまでもないかと思います。

 既婚者であっても、子どもがいあるとは限りません。
 望んで恵まれない夫婦もいます。
 10組に1組は不妊とも言われています。
 亡くなっている場合もあります。
 向こうから出ない限り、子どもの話題は避けましょう。
「通っている学校はどちらですか」
も無遠慮に子どもの学力を探るような問いです。
 控えましょう。

 住まいについても、どこに住んでいるかは相手の経済状態を聞くようなものですから配慮が必要です。
 向こうから住まいの話題が出たら、少しずつつっこんで質問するぐらいでいいでしょう。
 向こうから出るということは、「どうぞ質問してくれ」と言っていることでもあるからです。

 兄弟関係についても、
「一人っ子はマイペースだよね」
「末っ子は甘えんぼだ」
などと固定概念によるマイナス発言は控えましょう。
 相手が一人っ子や末っ子かもしれません。
 本当は兄弟がいたのに、亡くなってしまって一人っ子という場合もあります。
 やはり、向こうから出たら、ちょっと質問してみましょう。

 親子関係についても良好な親子関係の人ばかりではありません。
 実の親子で不仲の人もいます。
 義理の親子で良好な関係の人もいます。
「継母はいじわるなものだ」
のような、ステレオタイプ的な発言はやはり厳禁です。

 生活の話題については、基本的には相手からちょっと話してもらったことを、こちらから少しずつ少しずつ様子を見ながら質問をして話題を広げていく――といった感じで進めていきましょう。