会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

相手にいいことがあったら「良かったね」

 結論から言うと、相手が自慢話をしたら「良かったね」と言ってあげましょう」ということです。
 会話の原則9「受け答える」
 相手の自慢話に対し、「うんうん」「そうんですか」「へえ、すごいですねえ」「良かったですね」と相槌を打ってあげましょう。
 相手の自慢話を感心しながら聞いてくれるあなたに対し、相手の心にはあなたに対する信頼貯金がたまっていきますよ。

 相手が宝くじを当てようが、家を建てようが、高級ブランド品を買おうが、世界一周しようがあなたには関係ないことです。
 相手が宝くじを当てない場合、家を建てない場合、高級ブランド品を買わない場合、世界一周をしない場合と比べて、あなたの生活に変化はありませんよね。

 それに、相手の話を「良かったね」と聞いてあげることは、実は脳科学的にあなたにとってもメリット大なのです。
 脳は主語や否定語を認識しません。

 「シロクマ実験」をご存知ですか。
 人間は「シロクマのことを考えないでください」と言われても、シロクマのことを考えずにはいられません。
 それどころか、かえってシロクマのことを強く考えてしまいます。
 「~~しない」という否定語は、人間の脳に対して、認識しないどころか、逆効果に強く作用するのです。

 また、他人の悪口を言うことは自分の脳にとってたいへん良くない行為です。
 脳は主語を認識しません。
「あいつはバカだ」
と言うと、脳には主語の抜けた「バカ」だけが残ります。
 脳は自分が「バカ」と言われたと思い込むのです。
 他人の悪口を言うことは、実は自己評価、自尊感情、自己有用感をどんどん下げてしまうことにつながってしまっているのです。

 だから、相手をほめたたえることは、実は自分をほめたたえるのと同じなのです。
「すごいですね」
「立派だ」
「すばらしい」
「良かったね」
と相手に対して言うことは、自分に対して言っているのと同じです。

「うらやましくなんかないから」
と否定語を使うのは、脳にとっては
「うらやましい」
と言っているのと同じです。

「あなたは、自慢ばっかりして嫌な感じ」
「あいつ、罰が当たればいいのに」
に関しては、主語抜きで認識されるわけですから、脳にとっては自分に対して
「自慢ばかりして嫌な感じ」
「罰が当たればいいのに」
と言っているのと同じです。

 相手にいいことがあったら「良かったね」です。
 信頼貯金はたまるし、脳科学的に自分にとってもいいし、いいことずくめですよね。