会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

会話の原則7「ほめる」

 原則7~9は会話の心・技・体の内の「体」についてです。
 相手との会話における「体」とは信頼関係です。
 スポーツにおいて、体格、体力が重要なように、会話においては相手との信頼関係が重要です。
 その信頼関係を大きくしていくのに最もいいのが「ほめる」ということです。
 ほめ方については、いろいろな本も出されていて、「よいほめ方」みたいなハウツーもありますが、あまり難しく考えず、ともかく相手をほめましょう。

 不思議なものなのですが、人間は言われた言葉の通りになっていくものです。
「あなたは、お利口ね」
「落ち着きがある」
「賢いなあ」
「優しい」
「親切ですね」
等と言われると、ますますそうなっていくものなのです。
 これ、そうじゃない人に言っても効果があります。
 姿勢が悪い子に、
「あなたはいつも姿勢がいいね」
と言い続けると、本当にだんだん良い姿勢の子に育っていきます。
 ギリシャ神話で人形だったピグマリオンが、声をかけ続けられている内に本当の人間になったというエピソードにちなんで、こういうのをピグマリオン効果と呼びます。

 悪い方のピグマリオン効果もありますね。
「おまえは駄目だ」
「ちょろちょろして落ち着きがない」
「馬鹿だなあ」
「いじわる」
「感じ悪い」
 こちらもまた、そう言われ続けると、そうなっていくものなのです。
 行動に問題のある子は、このような言葉をよくかけられがちです。
 悪いレッテルを貼られるのですね。
 貼られたレッテルの通りにどんどんなっていきます。

 だから、良いレッテルを貼りましょう。
 「ほめる」ことなんて、作ったっていいんですよ。
 「良い捏造」をしましょう。
 ほめようが無い子にだって、
「あなたは本当はできるんだよ」
「君の中に、実は優しさがかくされてるんだよね」
「やればできるさ」
こんな風にいくらでも言いようはあります。

 人間はかけた言葉の通りになっていきます。
 ほめましょう。