会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

会話の原則5「繰り返す」やり方1「時間差で繰り返す」

 「繰り返す」やり方のもっとも単純なやり方は、即その場で同じ言葉を繰り返すものです。

「キャンプに行ったんです」
「キャンプに行ったんですね」

「お寿司食べておいしかったです」
「お寿司おいしかったんですね」

「お化け屋敷こわかったなあ」
「よっぽどこわいお化け屋敷だったんですね」

 これよりちょっと難易度があがる「繰り返す」やり方があります。
 それは、即その場で同じ言葉を繰り返すのではなく、会話をしばらく続けてから、時間差で繰り返すというやり方です。

 たとえば、キャンプの話題が出たとしましょう。
 単純な繰り返すやり方は、先に例示したとおり、その場で直ぐ繰り返すというものです。
 ちょっと高度なやり方ですが、次のようになります。

「そういえば先ほどのキャンプのお話ですが……。
 行かれたのはどちらのキャンプ場だったのですか」

といった、具合です。
 そうすると相手は、会話の話題をただ聞き流すことなくちゃんと内容を覚えてくれている人なんだという思いをあなたに対してもってくれることでしょう。

 他にも、お寿司の件でしたら、

「先ほどのお寿司のお話ですが、どちらのお店に行かれたんですか」
「特におすすめだったネタは何でしたでしょう」

というように繰り返しますし、お化け屋敷の話でしたら、

「お化け屋敷のことを先ほどおっしゃっていましたが、私もこわいのは大の苦手なんです」
「お化け屋敷は、あのヒュ~~ドロドロという音が、たまらなくおそろしいですよねえ」

などと繰り返します。

 相手の話を聞いていると、複数の話題に軽重があるのが分かる場合があります。
 その時は、相手にとって重要な話題、ふれると相手が喜びそうな話題を見抜いて、繰り返すようにしましょう。

 そもそもちゃんと集中力を発揮して話を聞いていないと、話題を覚えていられません。
 時間差で繰り返す場合は、複数の話題をきちんと頭に刻みながら、相手にとって重要な話題をしっかり見抜いて繰り返すようにしましょう。
 そのスキルアップのためには、やはり場数をふむことです。
 最初はその場で即繰り返すようにし、慣れてきたら、ちょっと間をおいてから繰り返すようにし、だいぶ慣れてきたら、もっと時間を空けてから繰り返すようにして、徐々にスキルアップしていきましょう。