会話の原則5「繰り返す」
会話の原則の5番目。
技、テクニックの2番目は「繰り返す」ということです。
聞いたことを真似るのです。
最も基本的なテクニックは、相手が言ったことをそのまま鏡のように繰り返すということ。
「今日、学校行きたくないんだよ」
我が子がこんなことを言ってきたら、親のあなたはどう返します?
「ずる休みなんて許しません!」
相手の言うことモロ否定していますね。
会話の原則1「否定しない」に反します。
ここは、会話の原則3「質問する」で、まずは「どうしたの?」と理由を聞いてあげ、その理由がどんなものであろうと、「最後まで聞く」(原則2)のです。
さて、我が子が理由の説明を始めたら、時々子どもの言葉を繰り返しましょう。
「眠いんだ」
「眠いんだね」
「あの先生嫌いなんだ」
「先生が嫌いなんだね」
「宿題やってないんだよ」
「宿題やってないんだね」
「学校なんか辞めて働きたいよ」
「学校辞めて働きたいんだね」
「あ~あ、ニートになりたい」
「ニートになりたいのか」
「生きてるの、やになっちゃったな」
「生きてるが、やなんだね」
こんな感じです。
あなたが内心「何わがまま言ってんだ」「これ理由になってる?」「馬鹿なことを!」と思ったとしても、そこはじっと我慢。
一方、子どもの立場に立ってみましょう。
親が自分の言い分を否定せず、説教もせず、腰を折らずに話を聞いてくれています。
子どもは安心して話を続けることができるでしょう。
そんな中で、実はこんな風にぽろっと本音を言うかもしれません。
「実は……、クラスで無視されてるんだ」
子どもにもプライドがあります。
親に心配かけたくないという思いもあります。
いじめられているという事実を、なかなか打ち明けがたいものなのです。
子どもの心を解きほぐせるような会話をしなければ、なかなか本音を言ってくれることはないかもしれません。
ここでは、親子の会話を例にしましたが、夫婦でも恋人でも兄弟でも友人でも仕事仲間でもみな同じです。
相手の言葉を繰り返しましょう。