会話の心・技・体

武道、スポーツ、囲碁・将棋やかるたまで、あらゆる競技に心・技・体の3つの要素が大事であるように、会話においてもまた心・技・体が大事です。では、会話における心・技・体とは一体どんなものなのでしょう。このブログではそれを9つの原則にまとめて書いていきます。

命令しないで質問しよう(会話の原則3) あなたが誰かから相談をされたとします。 相談への対応の基本は傾聴です。 「聞くこと」に徹します。 否定しない(会話の原則1)で、最後まで聞く(会話の原則2)のです。 それだけで、多くの場合、相手は救われます。 あなたに相談をしてくる人は、相談といいながら、実は話を聞いてほしいだけの場合が少なくありません。 現状に満足しているわけでないけれど、努力して状況を改善しようというほどの意欲も無い。 現状維持ですね。 でも、不満は聞いてほしい。 そんな感じですね。 それを、あ

命令しないで質問しよう(会話の原則3)
あなたが誰かから相談をされたとします。
相談への対応の基本は傾聴です。
「聞くこと」に徹します。
否定しない(会話の原則1)で、最後まで聞く(会話の原則2)のです。
それだけで、多くの場合、相手は救われます。
あなたに相談をしてくる人は、相談といいながら、実は話を聞いてほしいだけの場合が少なくありません。
現状に満足しているわけでないけれど、努力して状況を改善しようというほどの意欲も無い。
現状維持ですね。
でも、不満は聞いてほしい。
そんな感じですね。
それを、あなたが、
「こうした方が良いよ」
「それは、ああすれば良かったのに」
などとアドバイスしたらどうでしょう。
相手は、本当はしたくもないのに、
「努力して状況を改善しよう」
とあなたに言われたように――もっと言えば、命令されたように感じてしまいます。
現状維持で良い、でも不満は聞いてほしい――その程度だったのに、
「ああしろ、こうしろ」
と言われたら、相手はおだやかな気持ちでいられなくなります。
だって、する気も無かった、したくもない
「努力をしろ」
とあなたから、指示・命令されたように感じてしまうのですから。

だから、あなたは、せめて、
「こうしてみるのはどうかな?」
と質問の形で言うのがいいでしょう。
命令ではなく「提案」ですね。
もし、相手が
「努力して状況を改善しよう」
と本気で思っていれば、相手はあなたの提案を場合によっては取り入れて、そのための行動を開始するかもしれません。
でも、ただ不満を聞いてほしいだけの人だった場合は、あなたの提案には曖昧にしか返してこないでしょう。
ならば、相手に
「状況を改善」
するつもりは無く、
「ただ不満を聞いてほしいだけ」
というのが分かったわけですから、あなたは
「否定しない」

「最後まで聞く」
ことに徹してあげましょう。